ここまでは Major Key についてやってきました。今までのところを、今度は Minor Key について考えてみましょう。
以下に A Natural Minor のスケールを示します。
五線をクリックすると音が出ます。
A Natural Minor Scale は調号が同じの C Major Scale と同じ構成音になっています。
自然短音階の「自然」の意味は、この Major Scle から出てくる為、最も自然と考えたからです。
しかしながら、 A Natural Minor Scale から Diatonic Chord を作ると
下の譜面のように、 五番目がMinor Chordになってコード進行を作るには不都合です。(五番目をDominant 7th Chordにしたい)
詳細は Cadence の章で述べますが、五番目が Dominant 7th Chord でないとTonicである一番目に戻れないからです。
( Dominant Motion を起こしたいのです)
Natural Minor Scale のところで述べたように五番目を Dominant 7th Chord にするためには、
下の譜面のようにE7で考えなければいけないのでソの音が♯します。
このようにソを♯させることで出てくるスケールを Harmonic Minor Scale といいます
以下にAのHarmonic Minor Scale を示します。
五線をクリックすると音が出ます。
名前の Harmonic Minor (和声的)の由来は、コード進行(和声進行)を考えたから出てきたスケールという意味です。
しかしながら、コード進行的(和声進行的)にはうまく行ってもファとソ♯の間にAug2nd ができてしまい、
メロディーとしては歌いにくいものになってしまいました。
前述した、歌いにくいファとソ♯の間にAug2nd を歌いやすくするため、ファも半音上げてファ♯にすることにより
以下のような歌いやすい(全音と半音とでできている)スケールが出来上がります。
旋律(歌)を優先させているスケールなのでMelodic Minor Scale(旋律的短音階)といいます。
以下に A の Melodic Minor Scale を示します。
五線をクリックすると音が出ます。